FSHD Societyは、筋ジストロフィー症の中でも最も多いタイプの一つである顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー症(facioscapulohumeral muscular dystrophy, FSHD)という病気を持つ患者らによる非営利団体です。FSH SocietyはFSHDに関する研究推進・教育を推進しており、FSHDの研究の進歩は、筋肉の再生メカニズムから、果ては癌や糖尿病まで、様々な医学分野に役立つと考えられています。
FSHD Societyとは
1991年に二人のFSHD患者、Steve JacobsenとDaniel Perezの手で設立され、FSHD患者・患者家族・医師・研究者らで構成される世界最大規模のネットワークです。FSHD患者は、世界中で870,000人もいると推定されています。
FSHD Societyの活動
我々は、患者や患者家族に対し、FSHDに関する情報発信と支援を行います。また、寄付金を集め、FSHDに関する研究を公募し、世界レベルの科学顧問委員会で審査し、厳選された研究計画に対し資金を援助します。加えて、FSHDに関する研究に対する投資を、政府や企業に訴えます。
FSHD Societyの成果
我々は、FSHDに関する研究が存在すらしていない時代から、社会にFSHD研究の重要性を唱え研究者を募り、FSHDの研究を開始してきました。今までに、$5,000,000以上の寄付金を集め、$78,000,000以上もの資金をアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)等の組織から引き出し、研究に投資してきました。我々が資金提供した研究の一覧はこちらです。
我々の活動は以下の成果につながりました。
- 筋ジストロフィー症に対する支援をアメリカ政府に義務付ける法律(MD-CARE Act)の可決
- FSHDを引き起こす原因遺伝子変異の発見
- FSHDの原因遺伝子変異が病的な働きをするメカニズムの解明
- 候補治療薬の大規模な探索
- FSHDを持つ動物モデルの作製
- FSHDの多能性幹細胞(iPS細胞)の作製
- FSHDの原因遺伝子変異に対するゲノム編集治療の応用
- FSHDのバイオマーカー、画像マーカー、治両臨床試験評価項目の確立
研究の劇的な進展
2010年、FSHD Societyの援助で始まった研究により、DUX4と呼ばれるFSHDの原因遺伝子が発見されました。2012年、国際的な研究者グループがFSHD2型を引き起こすSMCHD1という原因遺伝子を発見しました。これら原因遺伝子の発見により、ついにFSHDの研究は治療薬を探索する段階に入ったのです。
FSHD Societyからの約束
我々が存在する限り、この病気と一人ぼっちで向き合う必要はありません。患者・患者家族・友人・スポンサーと共に、我々もFSHDに立ち向かい続けます。